もう一つスゲエなあと唸ったのは 象牙多層球の隣にある 「
象牙鏤彫提食盒」ですね
高さ50cmはあろうかという立派な物で食盆との名前からして虫除の付いた料理入れと判りますが とても実用に使ったとは思えないですね。
一枚一枚がこの様な垂直のスリットの入った象牙の浮き彫りで出来ていて この線を一体どうやって彫ったのか ・・・。
清の時代の作ですからフライス盤があったとの思えず 職人の意地と執念と卓越した技術なんでしょうか。
一枚一枚のパネルの意匠も全部違うし そもそも幅10-12㎝ぐらいの母材の象牙板を集める時点から大変な事と思われます。 うっすらカーブしてますから 薄くスライスしたのではなく 見た目 120x120x20mmの象牙板が20枚は必要。
上の蓋を取ったらホラ 各層の床仕切りも細かくメッシュ状になってる。
とにかく 見た目上一番凄かったのがこれ。 作った人が偉かったと申しましょうか作らせた皇帝も相当ですよね。
とにかくこの部屋の超絶技巧物には驚きました。 専門の職人がまさに一生を掛けて彫り上げた品々が並んでおり この部屋だけでも津軽屋の好奇心は満たされる感じです。 昔はこれを紫禁城の皇帝だけが見て楽しんでいたって事ですから そりゃ革命の一つや二つは起るってもんです。